しもやけ
frostbite

しもやけ

しもやけは、冬の寒さなどによって血行が悪くなることが原因で起こります。

原因

私たちの体には体温を調節する働きが備わっています。
例えば、寒さを感じると、その情報が脳に届き、脳の視床下部(自律神経)からの指令で血管を縮めて血液をあまり流さないようにします。
それによって皮膚表面の温度を低く保ち、体内の熱を外に逃がさないようにするのです。
反対に、暑くなると血管を広げて血液を多く流し、皮膚の表面温度を上げたり、汗をかいたりして熱を放出します。

「寒さ」と「暖かさ」の刺激が繰り返され、血管の収縮や拡張が繰り返されることで血液の循環に障害が起こります。
とくに、手足など末梢の血管では血行のコントロールがしにくくなり、赤く腫れたり、かゆくなったりという症状が起こります。
これが「しもやけ」で、「凍瘡(とうそう)」とも呼ばれます。

1日の気温差が10度以上になると起こりやすく、晩秋から冬の初め、冬の終わりから春先にかけてなど、寒暖差の大きい季節に多くみられます。
また、汗をかいた後や水仕事の後などに、皮膚をぬれたままの状態にしておくと、
水分が蒸発する際に急激に皮膚の温度が下がるため、しもやけになりやすくなります。

症状

しもやけは、手や足の指、かかと、耳たぶ、鼻のあたま、頬など、冷たい風にさらされる場所や、末梢の場所に起こりやすいと言えます。

主な症状は、赤紫色に腫れる、赤くなって盛り上がる、かゆくなる、ジンジンと熱い感じがする、
痛がゆい、などで、ひどくなると出血したり、水疱ができ、それが破れたりすることもあります。
寒さだけでなく、血行が悪い、汗をかきやすいなどの体質も要因のひとつと言われています。
子どもに多くみられますが、水仕事をする機会の多い女性、高齢者にもよくみられます。

しもやけには、2つのタイプがあり、
大人によくみられ、赤い発疹や水疱、しこりなどができることもある「多形紅斑型(たけいこうはんがた)」と、
子どもによくみられ手足が真っ赤になり、熟れた柿のように腫れる「樽柿型(たるがきがた)」に分類できます。

治療法

予防・治療では、まず血行をよくすることが大切です。
患部を温水と冷水に交互につけたり、温めながらマッサージをすることで、血行が改善されます(強いマッサージは逆効果)。
しもやけには、トコフェロール(ビタミンE)の内服や軟膏(ユベラ)、ヘパリン含有軟膏(ヒルドイド軟膏)、漢方などの薬が用いられます。
いずれも冷えや血行をよくし、しもやけの症状を軽くする効果があります。

注意点

真冬よりも、1日の気温差が激しい初冬や春先の方がしもやけ(凍瘡)になりやすいので、真冬を過ぎても注意するようにしてください。
また、まれにしもやけ(凍瘡)ではなく、自己免疫疾患などの病気である場合もあるので、
春になっても症状がおさまらないようなことがあれば皮膚科や小児科などを受診するようにましょう。