異物肉芽腫
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異物肉芽腫

生体内に異物が侵入すると、それに対する防御反応として炎症がおこり、生体から排除する機構が働きます。

しかし、炎症を誘起させた原因物質が様々な理由で消化・分解できず、体外に排出できない場合、その物質を組織内で封印して隔離してしまう慢性炎症が起きて、その物質を取り囲んで、マクロファージが変化した類上皮細胞、炎症細胞、線維芽細胞、毛細血管などから構成される肉芽腫を形成します。

異物肉芽腫は、体内に長時間分解されずに存在する異物が慢性炎症の原因となり、肉芽腫を生じたもので、異物には外傷に由来する砂、石、ガラス、金属、木片、鉛筆の芯、動植物の棘、毛髪、刺青、また、外科手術に由来する種々の生体内埋入材料によるもの、美容外科手術で充填目的に使われる異物(シリコンインプラント、非吸収性物質含有フィラー、流動パラフィンなど)による場合などが考えられます。

皮膚における異物肉芽腫においては、皮膚浅層にとどまる場合は肉眼的でも腫瘤を確認できて容易に発見できますが、皮膚深層や皮下に至る場合は、肉眼では確認できずに弾性硬の腫瘤を触知するのみの場合もあり、長時間放置されることが多いので注意を要します。

原因

体内に長時間分解されずに存在する異物が慢性炎症の原因となり、肉芽腫を生じたもので、異物には外傷に由来する砂や石、木片など、また外科手術に由来する種々の生体内埋入材料によるもの、そして美容外科手術で充填目的に使われる異物による場合などが考えられます。

症状

けがで皮膚の下にガラスや小石が入り、そのまま傷がふさがり時間が経ってしまうことがあります。初期の段階で取り除けば感染のリスクや異物肉芽腫ができる可能性も最小限で抑えられます。皮下異物は、炎症を起こしていなければ腫れたり痛んだりすることはあまりありません。何かある、といった異物感が主症状です。この症状は場所によっては非常に不快感があるため、初期の段階で摘出をおすすめいたします。

治療法

異物の摘出が原則です。感染症を併発している場合は感染のコントロールするために抗生剤投与が必要な場合もあります。異物を完全に摘出できない場合は、炎症を減弱させるため、ステロイドの注入および、広範な場合はステロイド内服を行うこともあります。